地福寺(大阪、阪南市)
JR阪和線の山中渓駅から5分ほど北に歩いた場所に、宿場町の風情を残す「熊野街道」と書かれたエリアがあります。なかなかいい感じに整備されています。
ここは駐車場で主に「わんぱく王国」に行く時に利用する時は、この駐車場になります(1日500円)。また、旅籠(とうふや)跡の案内も見られます。
宿場町と言えば、この駐車場の斜め向こうに「山中宿本陣跡地」の案内もあります。
ここが紀州の殿様の休憩所だったんですね。
他にも「旧庄屋屋敷」が残り、これは江戸時代の建物。
ここが、この村で一番偉い人が住んでいた家なんですね。関西では「庄屋」、関東では「名主」と呼ばれていたそうですが、この違いは知らなかった。
石畳の道を北に向けて歩き、駐車場のあった場所から3分ほど歩くと、電信柱に「子安地蔵尊」の案内がありました。
路地を入って、ぶらっと歩いてみると…
この古い家、と言うかパッと見た感じ、昔の納屋小屋かと思いきや…、なんと!!
これは「山中公立小学校跡」でした。
明治5年に新政府の学制発布によって各地にあった寺小屋が廃止され、小学校が設置されました。しかし、この地域では尾崎と言う場所にしか小学校はなく、この山中村から歩いて通うのは大変。しかも子供の足。
もちろん、当時は現在のような電車やバスなどのない時代。自転車もないでしょう。子供達が通学するのは不可能で、当時の村長さんが一生懸命に知事さんを説得し、そして、ここに小学校が出来たとのことです。
さりげなく通り過ぎてしまいがちな古い家と案内板ですが…
当時は相当な苦労と熱意で作った小学校なのでしょう。いつまでも風化されることなく、当時の村長さん思いを残していきたいものです。
そして、この「子安地蔵尊」の石碑の後ろには、
ほら、「筆神さん」と書かれた石の祠がありました。
山中渓の駅近くにあった「道祖神」と似ていますね。これは、当時ここにあった小学校で学習した子供達が使い古した筆を祀ったものだそうですよ。
そして、地福寺に到着です。
春になると枝垂桜が見事なんだとか!
こちらが地福寺の本堂ですね。
おそらく、この奥に子安地蔵尊がありますが、残念ながら見れません。
熊野詣でが盛んだった平安後期、その道筋には熊野権現の分身が祀られていたそうです。
これを「王子」と言い、大阪から熊野まで99あり、「九十九王子」と呼ばれ、阪南市には「地蔵堂王子」と「馬目王子」の2つがあります。
この地福寺の子安地蔵尊は、この地蔵堂王子のご神体なんだとか。
地福寺
大阪府阪南市 山中渓1180
072-472-2082