【三重】夫婦岩の後ろ!「天の岩屋」で世界が暗闇に包まれた

二見興玉神社の岩屋(三重、伊勢市)

夫婦岩で有名は、二見興玉神社は御祭神に猿田彦大神を祀り、開運や家内安全・交通安全に御利益があるといわれています。

大小2つの岩が仲良く並ぶ姿から、夫婦円満のシンボル的存在でもある夫婦岩は、その沖合約700m先に鎮まる「興玉神石」日の大神(太陽)を拝む鳥居の役目をしています。

二見興玉神社&夫婦岩(三重、伊勢市) 伊勢のシンボルと言えば夫婦岩。 大注連縄で太く堅く結ば...

夫婦岩は日が昇る方角、ではその反対側には何があるのでしょうか?

今回はそんなお話を…。

二見興玉神社天の岩屋

夫婦岩の反対側を見ると…

そこには、天の岩屋という岩窟があります。

太陽神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)が隠れ、世界が暗闇に包まれた岩戸隠れの伝説。その舞台になった場所が、この二見興玉神社にある天の岩屋だと言われています。

二見興玉神社天の岩屋

もちろん、諸説あり「天の岩屋」や「天の岩戸」と称される場所は全国にあります。

例えば三重県では、この二見興玉神社にある「天の岩屋」志摩市の「天の岩戸」とされる恵利原の水穴が有名です。

伊勢神宮外宮の高倉山古墳も伝承知の一つ。しかし、こちらは入山が禁止されています。

二見興玉神社天の岩屋

二見興玉神社にある天の岩屋の前には、天の岩戸前で裸踊りをして天照大御神を導き出した天鈿女命(あめのうずめのみこと)の石像があります。

この石像を見て、この岩屋に祀っているのはアメノウズメなのかな?って思いますが、実は違います。また、「天の岩屋」について書いているサイトの中には宇迦御魂大神(うかのみたまのかみ)を祀っていると紹介されているのもありますが…、正確にはそれも違うようです。

と言うのも、二見興玉神社の公式サイトを見ると

この岩窟は往古より宇迦御魂大神を祀った三宮神社がご鎮座されておりましたが、文禄年間に外側の境内に遷祀されました。

このように書かれています。

それなら。今現在はどうなんだろう?

と疑問に感じ、二見興玉神社に問い合わせてみると、公式サイトにある通り、宇迦御魂大神は遷祀され、現在は霊石をお祀りしているとのこと。

二見興玉神社天の岩屋

尚、ここにあるアメノウズメの石像は、信者の方が寄進してくださったものだとか。

なるほど!だからココにアメノウズメの石像があるんですね。神話のお話をイメージしたら、ピッタリです。

ところで、天照大御神の岩戸隠れの伝説に関し、「知ってるような、知らないような」って方も多いと思いますので、簡単に略した形になりますが整理してみます。



<天照大御神の岩戸隠れの伝説>

昔、アマテラスが弟のスサノオの狼藉を嘆き岩屋へお隠れに。すると、世の中は闇となり、さまざまな禍いが生まれ出てきます。

神々は困り相談し、知恵者のオモイカネの案で儀式を行うことに。要はドンチャン騒ぎ。アメノウズメノミコトが岩戸の前で舞って踊って、次第に狂喜乱舞となり着衣もはだけ、その姿に八百万の神は笑い転げます。

岩屋の奥で笑い声を聞いたアマテラスは「何の騒ぎ?」と気になり、岩戸を塞いでいた扉の岩を少し開けます。もっとよく見ようともう少し扉を開いた時、岩屋の横に控えていたタヂカラオが強力で扉を開け放し、アマテラスの腕を掴んで引き出します。
こうしてアマテラスが岩戸の外に出たことによって、世の中は以前のような明るさを取り戻し、禍いも起らなくなったというお話。

二見興玉神社天の岩屋

一説によれば…

夫婦岩から昇る朝日をアマテラスと考えた場合、日が沈む方向に岩屋のある。

要するに、日の出と日の入り、夫婦岩と天の岩屋になる。それもあって、ここに天の岩屋信仰が生まれたんだとか。

二見興玉神社天の岩屋

その岩屋を覗き込んでも、真っ暗でほとんど分かりません。

ここは世界が暗闇に包まれたという「岩戸隠れ伝承」の地の一つ。実際にそんな事が起きたのか?本当に神話に登場する神様は存在したのか?今も存在しているのか?その真相は分かりません。しかし…

長い歴史の中で、多くの人が信仰し、大切に守ってきたことは深い意味があるはず。信じて敬う気持ちを持ち続けたいものです。

二見興玉神社・天の岩屋

場所: 三重県伊勢市二見町江575
電話:0596-43-2020
公式サイト