二見興玉神社の龍宮社(三重、伊勢市)
伊勢の夫婦岩と言えば、観光名所の代表例の一つ。
私も小学生の頃、修学旅行で来たのを思い出します。そんなベタな場所より「もっとマニアックな所を散策したい、写真映えする所が良い」って思ってませんか?
伊勢神宮もそうですが、ここは単なる観光地とは、ちょっと違います。出来れば、何度も足を運びたい聖域になります。
伊勢の二見浦は清き渚と呼ばれ、神代の昔より霊域です。そして、古くより「禊浜」と呼ばれ、伊勢参りは、この地で心身を清めるところから始まったそうな。
「伊勢シーパラダイス」と併設する「夫婦岩ミュージアム」から行くと、スグに浜が見え、その先に東鳥居、龍宮社、夫婦岩、二見興玉神社の順で徒歩で約5~10分です。
磯の香りと波の音、聖域である清々しさが合わさって、気持ちの良い。
第一鳥居のある表参道は反対側の西側にあり、二見浦無料駐車場があります。車で来る場合は、そっちを利用する方が良いかも。伊勢シーパラダイスの前にも無料駐車場はあるけど、すぐ満車になります。
さて、龍宮社に到着です。
案内板を見ると…
その昔、ここに津波が襲来したことがあったそうな。そして村人は困窮し、神の御加護を願う外はないと、ここに海の守護神と仰ぐ「綿津見大神」を勧請して奉祀したとあります。
その後の寛保の荒浪、明治の高潮などの際も、御神威の霊顕があり被害が少なくなり、陰暦5月15日の祭典では、「津波が急にきたら見るな、待つな、おごるな」の先人の教えを今に残し、きゅうり・なす・みる・おご・まつ菜などが供えられるのだとか。
なるほど…!急にはキュウリ、みるは海藻?ミル貝?、待つなは小松菜かな?
これは「輪注連縄(禊祓)」です。
輪注連縄を身体の悪い所にさすり納める事で、一切の不浄を解除して災禍の来るのを防ぎ止めてくれるようです。
尚、境内には4ヶ所(拝殿前・遥拝所前・岩屋前・龍宮社前)に設置されてます。
さて、狛犬ですが…
口を開けた阿形(あぎょう)と口を閉じた吽形(うんぎょう)の一対の像である事は有名ですが、これは日本特有だとか。
狛犬は中国から韓国を経由し日本に伝わったそうですが、日本以外では「あ・うん」になっていないそうです。面白いなぁ~
ところで、何で口に玉を入れてるの?
って思った事はありませんか?聞いた話によると、口を開けた阿形は声を発する事が出来るが、玉が口に入っているとそれが出来ない。
要するに、「余計な事は喋るな」「口は禍の元」といった戒めだそうな。
口を開けている方が雄、口を閉じている方が雌ですね。
更に興味深いのは…
この二見興玉神社の龍宮社には、狛犬だけでなく、狛蛙の姿もあるんです。
ほら!(゚Д゚)ノ
どんな意味があるのだろうか?
※狛蛙といえば埼玉県富士見市「水宮神社」が有名ですが、二見興玉神社の狛蛙とは異なるようです。
気になって公式サイトを見てみると…
龍神は雨を喜ぶと云う意味から蛙を献ずるのであるといわれ、社伝には神宮参拝者が、旅の安全、航海の安穏を祈念して無事「かえる」の願からでたものとも云い伝えられています。
少し難しいのですが、他にも…
日の神に谷蟆々(蛙)を献じたるものなりと伝えられ、又、御神石である興玉神石を伊勢の海の守護の澳魂とあがめ、
ともあります。
この「谷蟆々(蛙)」は「たにぐぐ」と読みます。更に「たにぐぐ」をWikipediaで調べると、蛙でもヒキガエルと分かりました。
興味深かったのは…
地上のどこにでも生息しているため、「国土の隅々まで知り尽くした存在」であるとか「地上を這い回る支配者」と考えられていた。
との説明です。他にも…
三重県伊勢市の二見興玉神社は、猿田彦大神を祀るが、その神使がカエルであるとされている。
蛙は猿田彦大神の使途だったんですね。だから、ここに狛蛙がいるのかもしれませんね。なんだか、ぼやーっとですが、見えてきたような気もします。
日本の神話に詳しい人なら、お気づきだと思いますが…
大国主が出雲の美保岬で、海の向こうから小さな神がやって来た話。その時に大国主に「久延毘古(クエビコ)なら知っているはず」と注進したのがヒキガエルの多邇具久(たにぐぐ)になります。
って言うか…
撮った写真を順に見てたら、案内板の説明が出てきました。
要するに、二見蛙は交通安全の守護神なんですね。
色々と調べてたら、最後にアッサリ答えが…。でも、日本神話に関することは難しくて奥が深い。またどこかで整理してみたいと思います。
さてさて、隣接する社務所にて「清め砂」を購入しました。
特に何か気になる事があるわけではないのですが、コロナの件もあるし、縁起の良い事は信じて色々やった方が良いのかと最近思うワケで…。
目には見えない不思議な事って、やっぱりありますもんね。
それに200円で家を清めてくれるって、凄くないですか?
しかも猿田彦大神のご利益です。
家に戻ってスグにお砂を撒きました。
不思議なモノで、四隅を清めた後からとっても心地よい。そう感じるだけで、運気は上がっているのだと思います。そう思った方が得ですよね。
やっぱり、伊勢は単なる観光地ではない特別な場所なのだ。
次回は、夫婦岩についてです。
二見興玉神社の龍宮社
場所: 三重県伊勢市二見町江575
電話:0596-43-2020
公式サイト