【大阪】あべのハルカス美術館で「北斎-富士を超えて-」が始まった!

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

世界で最も有名な日本人…とも言われている稀代の浮世絵師、葛飾北斎の作品が大阪の天王寺に集結!そう、2017年10月6日~11月19日までの期間、あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」が開催されています。ずぅっーーーーーーと!これが見たかったって方も少なくないのではないでしょうか!!

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

あべのハルカス美術館は、地上300m日本一の超高層ビルとしても知られ、今や大阪の代名詞的存在となった「あべのハルカス」16階に位置しています。



今回は内覧会に参加させて頂きましたので、当ブログで「北斎-富士を超えて-」の一部を紹介させて頂きます。写真撮影は特別に許可を頂いたものですが、著作権が御座います。このページの写真は全てコピーや転載はお断りとさせて下さい。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

さて、葛飾北斎の作品と言えば、新パスポートに「富嶽三十六景」が採用されたことで話題になりましたが、富士山の絵が有名ですよね。

その中でも、この3作品を知らない人はいないはず!

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

北斎が70歳を過ぎて生み出した代表作「富嶽三十六景」の中でも特に知られているのが、この赤富士の…

「凱風快晴」

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

そして、そのペアの作品と言われる「山下白雨」

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

こちらは「神奈川沖浪裏」です。海外では「The Great Wave」と親しまれ、日本人だけでなく世界中が愛する名作。

注目すべきは、波の頭の部分。今でこそ特殊レンズで撮影し、映像や静止画で波の頭がどんな状態になっているか見ることが出来ても肉眼では見えるモノではない。この肉眼では見えるはずのないものが北斎には見えていたのでしょうか。

そして、よく見れば3艘の船。嵐のように荒れ狂う大波、激しい動きの中に、一つだけ動かないものが絵の中にある。それが富士山です。惚れ惚れする描写力ですね。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

他にも「富嶽三十六景」の数々…

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

そしてこちらは、長野県の小布施町に残る北斎が86歳頃に描いたとされる「なみ図」です。先ほど紹介した「神奈川沖浪裏」の波と似ています。螺旋状に渦巻く波は、宇宙の入り口にも見えて来ます。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

北斎が71歳から85歳頃に描いた「大日本将軍記」。これは絵本または読本用だそうですが、このような版下絵が残っているのも凄い。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

そして、これは三国志の英雄としてしられる関羽。毒矢を受けた関羽の右ひじを医師の華佗が手術する有名なシーン。麻酔も使わず手術は進行されるも関羽は眉一つ動かさず、澄ました顔で碁を打っている。

この絵は北斎の娘、葛飾応為の作品。この絵を見る時は、絵だけでなく右下のサインと捺印にも注目です。応為の名と葛飾の印が見れますよ。応為が描いた作品を北斎が認めて捺印したのか?それとも、この絵が完成した時には既に北斎はこの世になく、応為が自ら捺印したのだろうか?そんな事も考えつつも、あまりにリアルな作品に魅入ってしまいます。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

そうそう、美術館に入ってスグの場所に龍を描いた北斎の作品があります。これは北斎が39歳の頃に描いたもの。しかも北斎が「北斎」の号を使い始めた頃のものと言われています。

ここでは「龍」の表情などしっかり見ておいてください。と言うのは、展示品の一番最後らへんに北斎が晩年に描いた龍の絵があるからです。この若かりし頃(39歳頃)に描いた龍、神の領域と言われた晩年に描いた龍の違いを見比べてみましょう。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

ちなみに、こちらは北斎が90歳の時に描いた「富士越竜図」で、おそらく、これが北斎が描いた最後の富士山じゃないでしょうか。ここも竜が描かれていますね。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

そして、こちらも北斎が90歳の時に描いたもの。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

「雨中の虎図」「雲竜図」です。

あべのハルカス美術館「北斎-富士を超えて-」

竜は真っ黒な雨雲を作り出して雨を降らす。よく見ると虎の絵には滝のような雨が降り注がれています。そして大地は潤い、植物は目を出し花を咲かせ実をなし、種を作って、また新たな生命を生む…、そんな事も想像させてくれるような奥深い描写がここにあります。

北斎の晩年の作品。90歳で亡くなった北斎は「天があと5年くれたら真の絵師になれたのに…」と言う言葉を残したと言うが、自らの死を悟った時に描いたこの絵を見ていると、龍の表情が北斎そのものに見えて来て、観賞しているはずの私が見られているような…。

今回の「北斎-富士を超えて-」は大英博物館共同プロジェクト。有名な「富嶽三十六景」だけでなく、北斎の晩年の作品北斎の娘・葛飾応為の作品版画肉筆画も、北斎の名作がこれほど多く揃うのは奇跡とも言われています。このブログで紹介しているのは、ほんの一部。この機会に見に行かなと後悔してしまうはず。絶対におすすめですよ!!

あべのハルカス美術館

大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
06-4399-9050
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
入場料:一般1,500円、大学生&高校生1,000円、小学生500円
「北斎-富士を超えて-」:2017年10月6日~11月19日まで
公式サイト