比叡山延暦寺「至宝展」
1994年にユネスコの世界文化遺産にも登録された比叡山延暦寺。伝教大師最澄が788年に開創し、日本仏教の母山として日本の宗教と歴史の中心的な役割を担って来た聖地です。
この比叡山は織田信長の焼討で知られるように、度重なる戦乱や災害が見舞われ、多くの仏典や仏像を失いました。それでも、まだ守り抜かれてきた貴重な文化財が数多く残り、国宝や重要文化財として安置されています。
しかし…、その殆どは通常見ることは出来ません。
そこで、2018年は伝教大師1200年の年。その大遠忌記念として、秘められし仏像など約70点が国宝殿の企画展「至宝展」に集結し大公開となりました。
この企画展は2018年8月1日から始まり11月30日までの期間で開催。今回見逃してしまうと二度と見られないかもしれない秘仏、また今回が初公開となるものも多数あります。
一般的に美術品は写真NGが当たり前。この国宝殿「至宝展」も同様ですが、エントランスの仏像2体だけは一般の写真撮影が可能です。
こちらは織田信長の焼き討ちの際、その焼討から逃れ湖に投げ出され、自ら岸辺まで泳いだと伝わる釈迦如来坐像(平安時代)です。
こちらは不動明王立像(江戸時代)です。
写真が取れるのは、この2体だけですが、こうやって写真が撮れるのって、あまりないので嬉しいですよね。
当ページで紹介している写真に関しては、取材として特別に許可を頂いたものになります。画像の引用や転載などの一切をお断りしております。無断で使用すると問題が生じる可能性がありますので、十分にお気を付けください。
館内に入ると…
館内に入ると、仏像がズラリと並び、独特の雰囲気と言うのかオーラが凄い。そりゃそうですよね、国宝や重要文化財が一堂に揃っているのだから…。
しかも、今回初公開されている仏像なども多く、目にするもの全てが奇跡に近い。
その中でも、特に注目されているのが…
織田信長の比叡山焼討ちで唯一逃れた建物と伝わる瑠璃堂。この瑠璃堂は国の重要文化財。現在、比叡山の西塔でみられる建物は1693年に移築されたものだとか。その瑠璃堂の御本尊の薬師如来坐像(室町時代)が今回が初公開。
しかも最初で最後の公開との噂もあります。そう、私たちが生きている間に見れる最後のチャンスかもしれません。
この機会に絶対に拝観しておきたい。
また、通常は非公開の薬師如来坐像(室町時代)も今回は拝観が出来ます。1715年の火災の際に坂本の盛安寺より移ってきたと伝わっているそうです。
また館内には四天王や毘沙門天の姿もあり、この迫力がたまらない。
見て下さい。
また、書跡の展示もある。
こちらは「伝教大師入唐牒」で国宝です。804年に最澄が唐の明州に到着した時、台州の天台山に赴き、天台教学を学んだ時の通行許可書。この保存状態の良さに驚きですね。
見ているだけで、本当に震えそうなほど凄い…。
また、鎌倉時代の作品で重要文化財の阿弥陀如来坐像など、通常は非公開のものから、今回が初公開の仏像がズラリと並んでいます。
ただただ、素晴らしい。
こちらは、重要文化財の千手観音、毘沙門天、不動明王立像
近くで見ると…
そして、こちらは平安時代の広目天、増長天、多聞天、持国天の四天王。このように平安時代の四天王が四体同時に揃うのは比叡山でも過去に例が無く、実に珍しいとか。
そして、今後このように4体揃って見れるかどうかは未定のようです…。
と言った感じです。今回、このブログで紹介したのは全体のほんの一部。
今回はLINEトラベルjpでも紹介していますが、この「至宝展」でみる迫力、繊細さ、躍動感は実際に目にしないと到底分かりません。
この企画は2018年11月30日まで。残された日数も僅かです。この機会に是非!比叡山延暦寺まで足を運んでみては如何でしょうか!!
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比叡山延暦寺「至宝展」
場所:滋賀県大津市坂本本町4220
電話:077-578-0001
開館時間:8:30~16:30
期間:2018年8月1日~11月30日
入館料:大人500円 中高生300円 小学生100円
※延暦寺諸堂巡拝料が別途必要となります。