【体験談】旅館の住込みバイト&リゾートバイトの経験は財産になるよ

旅館の住込みバイトについて

つい最近、現役の大学生と話し込んだのですが。何て言うか…妙に羨ましかった。学生時代って夢もあれば自由もある。可能性も無限。自分が学生の時も周囲から言われてたけど、色んな事を経験できる素敵な時期ですよね。

その学生さんは、夏休みに沖縄で住み込みのバイトをするらしい。いいねぇ~♪



さて、実を言えば私も旅館で住み込みのバイトをした事がある。下の写真の村にある旅館で半年ほど住み込んで働いていたのだ。随分と昔の事だけど…。私自身の経験から言えば、住み込みのバイトは人生において一度はやっておいて損はないと思っている。

と言う事で、私の住込みバイトの経験を思い出し、書いてみたいと思う。

リゾートバイト

旅館の住込みバイト

私の場合は、大学を卒業してからだった。当時はアメリカに行きたいと言った夢があり、親父に相談すると…

「好きにしたら良いよ。お前の人生だから」
「でも大学を卒業したら1円も出さない、行くなら自分の金で行きなさい」と。

今にして思う。素敵な親父を持ったなと。それで住み込みのバイトを探し出し、やって来たのがこの村だった。当時はネット情報のなかった時代。雑誌で探したものでした。

リゾートバイト

思い出話をすると…

この村の近くには有名な山があり、その山は冬季は閉鎖となる。だから冬季はお客さんも減るということで、この旅館の住込みは4月から9月までの短期間バイトだった。

確か…給料は16万だったように記憶している。休みは月4回あり、休まなければ5千円支給。だから1ヶ月休みなしで働いたら18万になった。

3食おやつ付き自分の部屋も用意してくれたこの村に住んでいると、一切お金を使わなかった。だから…ここで働いている時は、毎月ほぼ17~18万の全て貯金出来た。渡米の目的資金は着実に溜まって行ったのだった。

仕事内容は旅館業務全般。朝は早く6時頃に起床だったような。朝食の配膳、布団を上げ、見送り、送迎、掃除、夕食の準備&配膳、風呂焚きなど。料理は専門の人がいた。だから調理以外は何でもやった。

悲惨だったのは、暇な時は山に木を切りに行く仕事。1ヶ月ほど寝かして乾かしたら、チェーンソーで2mほどの大きさに切り、それを肩に担いで山を下りる。トラック1台分ほどの木を運ぶので、肩は血だらけになった。あの時は本気で逃亡を計画するほど辛かった…。

運んできた木材は、駐車場で更に小さく切って薪割り。そして林間学校でやってくる小学生、中学生のキャンプファイヤーや飯ごう炊飯の薪となった。

色んな事を経験した。楽しい事も沢山あったけど、山仕事のように大変な仕事も多かった。

一生忘れられない事故

でも、一生忘れられない事が一つある。忘れてはいけない事。

それは旅館の送迎に使う車を壁にぶつけ大破させ廃車にしてしまった事。今では考えられない完全に乱暴な運転ミス。

旅館の大将は怖く厳しい人で、どれだけ怒られるだろうか恐怖し、それ以上に「弁償しなきゃ」と目の前が真っ暗になった。

そして旅館の女将さんに車を大破させたことを伝えると、車の事より、怪我をしなかった事何度も良かったと言ってくれた。

そして大将に事故を報告すると、普段は鬼のように怖い大将が、ものすごく優しく思いやりいっぱいで「車より人の命と体が大事」「怪我なくて良かった」と。

有難くて泣いたなぁ。

「すみませんでした。弁償します」

と言うと…

「お前、この村に何しに来たんや?」

「お金を稼ぎに来たんやろ?」「アメリカいくんちゃうんか?」「そんなんに時間つかったらアカン」「弁償はせんでいい。でもな、お前の為にケジメは付けなあかん。だから、給料から1万円だけ引かせてもらうで」と。

それ以上は何もなかった。この旅館で厳しさと優しさを学んだ。

リゾートバイト

住込みバイトから10年後

この旅館で働いたのは約半年だった。そして約10年後に親父と母親を連れ、嫁も子供も連れ、客として泊に行った。全てが懐かしい。

この旅館もリゾートバイトになるのかな?旅館の住込みなどのリゾートバイトは、一つの故郷を作った心地になる。時が過ぎれば過ぎるほど、やってて良かったと思える。

私が働いたこの旅館は、厳しかったけど人には恵まれた。何度も何度も逃げ出そうと思った事も今になれば楽しい思い出。いや木材を肩に担いで山を何往復も降りたのは、今や勲章のような経験。なかなか出来ない体験かと。

それ以上に、大切な旅館の車を事故で廃車にしてしまった時、旅館にとっては考えられない損失なはず。なのに…。あの日の優しさ、感謝の気持ちは今も決して忘れない。

普段は鬼のように怖い人だった。

心の中で「ちぇ、ばかやろー」なんて何度も叫んでた。でも、イザと言う時に人の本質が見えた。学んだなぁ、カッコイイ人だと思った。

今思えば、本当の家族のように接してくれた。鬼のような怖さはその厳しさだったのだろう。

リゾートバイト

ちなみに、ここだけの話で…

ココだけの話ですが、非常灯に残る落書きは私が書いたもの。

旅館を去る前日に、出来心で落書きをしてしまった。まだ若かったし…。そして10年ほど経って再訪した時も残っていた(笑) この写真はその時に撮ったもの。

リゾートバイト

バレたら怒られるだろうなぁ~ 大将ブチ切れただろうな、本当にすみません。

私が犯人です。

だから、この旅館の名前は公表できない。|д゚)

経験を人生の宝に

単なる思い出話になってしまったけど、住込みバイトは絶対にした方が良い。出会いを求めて行くのではなく、経験を求めて行けば、きっと良い出会いがあるはず。出会いとは男女の出会いばかりではなく、人生をキランと光る足跡を残してくれるもののこと。

夏休み、特に何も決まっていないなら、1ヶ月でも2週間でも行くべきだ。そして、数年後に客として再訪し、人間関係を作る。それはきっと、一生の宝になるに違いない♪