南條神社(大阪、大東市)
大東市(大阪府)の野崎観音(慈眼寺)の境内に南條神社があります。
以前、ブログで紹介した時は鳥居の額の周囲にハート型があり、それが一説によると隠れキリシタン説がに関係している…
そんな興味深い説を紹介しました。
今回は、その時に解明しなかった狛犬の謎について。
隠れキリシタンとは関係ないのですが…
当社は、宝塔神社に対して北の宮さん牛頭さんの呼称で親しまれ、野崎地区の氏神として厚く信仰される。明治五年から野崎「宝塔神社に一時合祀されたが、同十三年には、野崎村村社として復活し現在に至る。
牛頭大王は仏教における神将として怨霊や病魔を打ち祓う。 素盞嗚命は姉の天照大神に岩戸隠れ神話を生ませる程の荒ぶる神であり、 病魔を退散させる神威ありとして尊崇される 。 このため平安期以降の神仏習合理論により牛頭天王と同一視されるようになった。
京都・八坂神社に代表されるように牛頭天王をお祀りする神社は古く 、当社も北條村に対し南條村を称した江戸時代以前に南條(野崎)村の鎮守として 牛頭天王社と呼ばれていたのであろう。
石鳥居に「元禄」の銘が刺されていることからこの時期「十七世紀末」に社域が整備されたと推定される。
また、本殿前にある一対の木製狛犬(向かって左側の狛犬の頭には角があり、 一角獣と呼ばれる。狛犬に角があるもの程時代は古いと言われている。)は、 極彩色が施され、現在、剥離しているが桃山時代の雰囲気を漂わせている。 なお、その台座の裏書に「延享元年(1744)子年子九月十九日 天王宮野崎村」とある。
「木製狛犬(向かって左側の狛犬の頭には角があり、 一角獣と呼ばれる」と記載されているけど、この木製狛犬ってどこ?
とイマイチ、正体がハッキリ分かりませんでした。
お堂の前には木製ではない石造りの狛犬があり、角はありません。
角がある木製狛犬はお堂の中に安置されているのかな?と思いつつも、ハッキリしていませんでした。
しかし、お堂の中を見せてもらえる機会があり、写真も許可を頂きました。
南條神社の中に入ると…
その角のある狛犬の写真があり、左・一角獣(1744年)とあります。
そして、その先には…!
見事な角を持つ狛犬の姿がありました。
作られた当時は色鮮やかだったようにも見えます。なんと凛々しい!
関係者の方にお話を聞くと、古い狛犬には「角」がある事が多いという。また南條神社は京都の八坂神社に代表されるように牛頭天王をお祀りしているので…と。
事実、八坂神社の狛犬も角があるそうな!
…あれ?そうだったかかな?
ちなみに…
神社などの本堂を守るように背を向け対になって座っている獣の像を、私たちは「狛犬」と呼んでいますが、実は獅子と狛犬は違うのだとか。
これには諸説あるようですが、獅子は左、狛犬は右(正面から見ると獅子は右、狛犬は左)なんだとか。また『類聚雑要抄』によると「獅子は色黄にして口を開き、狛犬は色白く口を開かず、角あり」と書かれているそう。
では、京都・八坂神社に行ってみると…
左側(正面から見て右側)は獅子、口を開いています。
そして…
右側(正面から見て左側)は、口を閉ざし、角があります!
今まで無意識に見ていたけど、ちゃんと角が…。神社に行って狛犬に角があるか?ないか?意識して見てみると良いのかも。角が無いのは獅子、角があれば狛犬。
もちろん、色々な考え方がりますので、諸説様々ですが、このような目線で神社巡りをしてみるのも面白そうですね。
南條神社
場所:大阪府大東市野崎2丁目7
(野崎観音の境内にあります)