【和歌山】潮御崎神社の石垣は何を守っている?少彦名命と日本神話

潮御崎神社(和歌山、潮岬)

本州最南端の地、和歌山県串本町の潮岬。ここにある潮岬灯台は観光スポットとしてガイドブックなどで紹介されていますが、灯台まで来たら一緒に足を運んでおきたい場所があります。それが 潮御崎神社 です。

潮岬ではなく「潮御崎」と書くんですね。

潮御崎神社

この神社に足を踏み入れると…、何か空気感が違う。

霊感的なモノではなく、神聖な空気が漂っていると言った感じでしょうか。入り口には白河天皇、花山法皇の歌の碑がありました。




白河天皇(白河法皇)と言えば…

平家物語に「賀茂河の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」とあり、この3つ以外は何でも意のままになったと言う権力者。平清盛の父親説もあります。そんな白河天皇もここに来てたようだ。

潮御崎神社

横には潮岬灯台が見える。

潮御崎神社

少し話は脱線しますが…

串本町からチョンと飛び出たように存在する半島のような「潮岬」ですが、ここを地図で見ていると…、ある事に気が付くんです。それは地名です。

私はずっと勘違いしていました。

このチョンと飛び出した島のような半島の全てが「潮岬」と思っていたんです。でも、違うんですね。地図を見ると、西側が「潮岬」、東側が「出雲」と言う地名。

出雲って…何だか日本神話に出てきそうな名前だと思いません?

潮御崎神社

そんな日本神話と重ねてこの神社を歩くと、景色が変わって来ます。そうそう!この潮御崎神社の主祭神は少彦名命(スクナビコナ)です。

古事記を読んだことのある人なら、ピン!と来ますよね。少彦名命は日本神話に出て来る神様です。「古事記なんて読まないよ」と言われそうだけど、これが読むと結構面白い。

ちなみに、私は王様文庫「眠れないほど面白い『古事記』」を読みました。タイトルはチョット盛り過ぎだけど…、この本は読みやすかったですよ。

さて、このスクナビコナ、天乃羅摩船(ガガイモの実)に乗ってやってきた小さな神様神産巣日神(カミムスビノカミ)もしくは高皇産霊神(タカミムスビノカミ)の子とされ、前者は古事記、後者は日本書記で書かれています。

あまりに小さいので、親である神様の手の指の間からこぼれ落ちた神とも言われ、日本昔話の一寸法師のモデル説もあるんですよ。

そして大国主神の国造りに協力した神様でもある。

潮御崎神社

鳥居を過ぎると階段があり、この階段を登ると…

潮御崎神社

左に行けば「潮岬の鯨山見」と言う絶景ポイントに行ける。
潮岬の鯨山見に関してはこちら

潮御崎神社

そして右に行くと、潮御崎神社の本堂です。

潮御崎神社

それにしても、この石垣と言うのか…四方を囲っている姿は独特。

なんだか石垣島のような雰囲気。それだけ風が強いのだろう。台風の時なんて凄そうですもんね。それにしても、守ってる感がすごい。

潮御崎神社

あれ?でも、この神社以外で、このような石垣って見なかったなぁ~ って事は、暴風以外に何か守っているものがあるのかな?と、ふと思ったりも…

案内板は、ここに植わっている木の説明でした。

潮御崎神社

情報を探すと、和歌山県庁のサイトに潮御崎神社の案内がありました。

見てみると…

「記紀」にいう当地御崎は、少彦名命、熊野御崎より常世国に渡り給うたという聖地で、景行天皇28(98)年、御崎の「静之窟」内に少彦名命を勧請したのに始り、その後、潮崎安磨「静之峯」に遷座した。
しかし貞観12(871)年5月に、潮崎安守はさらに「潮見の端」へ遷座したと伝えられる

なるほど!もともとは、この場所じゃなく、崖の下に当たる海沿いの祠に祀られていたようだ。その場所が、静之窟(しずのいわや)なんだとか…

静之窟って、確か島根県にもありますよね。出雲神話において大国主命と少彦名命が国造りの際に石窟を仮住まいとしたという伝承の地。

潮御崎神社

この潮岬の東側に「出雲」と言う地名があり、出雲神話に登場する「静之窟」もある。そして、スクナビコナは大国主神の国造りに協力した神様。国を鎮め静かにした神。

これらの話は、和歌山の最南端の地で、何か関係があったのだろうか…

ほぼ100%深く考え過ぎだけど、この静之窟の「静」の字があるのも気になる。「静」の反対は「荒」で、神社を巡っていると荒神なんて言葉も目に入る事が多い。ここでの「静」は何か関係している気がしたり…

だって、激しい波がぶち当たる荒々しい場所「静之窟」と名付けるって変じゃない?そしてここに移ってから、必要以上に守ろうとしている石垣も気にかかる。

耳をすませば荒々しい波の音が聞こえて来ます。ザブーン、ザブーンと…。

潮御崎神社

う~ん、だんだん、

自分でも何を言いたいのか分からなくなってきました。

今回はココで行き詰まり。

潮御崎神社

本堂の横には…

潮御崎神社

左から、猿田彦命、大国主命、天照大神が祀られ…

潮御崎神社

その奥には高皇産霊神が祀られていました。既に書いたスクナビコナの親の神ですね。

潮御崎神社

色々と「ん?」と感じる所はあるけど、考えても今の私には分からない。

潮御崎神社

もう少し日本神話など詳しくなった時に再訪したら、もっと楽しくなりそう。

でも、この石垣の守り方。単なる潮風から神社を守ろうとしているだけでない。何か強力な何かがある。大きな秘密がある。神秘的な何かがある。そんな気がしてなりません。

まぁ~そんな妄想しながら旅すると楽しく、これは私の変なクセなんです。まだまだ勉強不足で、分からない事ばっか。いつか宮司さんに会って話を聞きたいものです。

潮御崎神社

場所:和歌山県東牟婁郡串本町潮岬2881
電話:0735-62-0919
参考サイト