華風料理 一芳亭(大阪、なんば)
南海電鉄なんば駅から7~8分ほど歩いた場所に、ひっそりと佇む小さな食堂があります。この周囲の景色やお店の外観からは想像できないほどお店の中は賑やかでお昼時はほぼ満席状態。この店こそ、知る人ぞ知る昭和の名店!華風料理 一芳亭です。
今回は12時代は避け、14時頃に来店してみました。
お店の外にはメニューが書かれ、1番人気は「しゅうまい定食」で、始めてこの店を利用するならコレがおすすめ。他に人気なのは「豚天定食」「春巻定食」かな。基本的にどの定食を注文しても名物のシュウマイは付いてくるので一安心。
1階席は満席で、2階席へ…。
一人で来たら、ほぼ確実に相席。
「お!あの席空いてるぞ」と思っても、その空いている席ではなく、他の一人客が座っているテーブルに通されます。まぁ~そんな昭和の食堂と言った感じのお店。
今回は一番人気の「しゅうまい定食」を注文してみました。この定食だと10個付いてくる。思う存分に名物の味を楽しみたいって時には最適です。
そう、こんな感じ!!
ところで、このシュウマイが何故名物なのか?もちろん美味しいのが大前提ですが、この店のシュウマイは『鬼平犯科帳』や『真田太平記』など、戦後を代表する歴史小説作家として知られる池波正太郎さんが絶賛した味!
彼の著書の中に、こんな一説が書かれているそうな。それは…
荒けずりなようでいてデリケートな味。
家庭の惣菜のように見えて
専門家のみにゆるされた品格が到底、
まねのできるものではないことを感じさせる》
(講談社文庫、池波正太郎著『新しいもの古いもの』より)
それが!このシュウマイです。
ほら、美味しそうでしょ!!
そして定食のライスは大中小とサイズが好きに選べます。そしてお吸い物は鶏ダシがしっかり効いているも優しい味。主役の座を奪わない風味がイイ感じ。
最初は何も付けずにそのままパクッと食べてみる。するとタマネギの甘み、豚肉とエビの風味が優しく口の中に広がる。次にカラシ醤油を入れて、シュウマイにたっぷり付けて食べる。これが絶妙に美味しい。
一芳亭のシュウマイは黄色い。これは小麦粉で作られた普通の皮で包むのではなく、手製の薄焼き卵で作った皮でひとつひとつ丁寧に包んでいるから。この作り方は戦後に小麦粉が手に入らず、薄焼き卵を代用したのが始まりだそうな。
少しジューシーで、口の中に入れた時に広がる旨みとカラシ醤油が合わさった味は何個でもペロリと食べられる。池波正太郎が「荒けずりなようでいてデリケートな味」と称したと言うけど、なるほど納得。この店に来ると、シュウマイ10個の「しゅうまい定食」ばかり注文してしまう。
次こそは「豚天定食」にトライしようと毎度思うのだけど…、なかなか「しゅうまい定食」から抜け出せない。
華風料理 一芳亭
場所:大阪市浪速区難波中2丁目6−22
電話:06-6641-8381
営業:11:30~20:00
定休:日曜
公式ホームページ