韓国と北朝鮮の国境38度上の軍事境界線「板門店見学ツアー」に参加した時の話

軍事境界線、板門店見学ツアー

連日のように緊張状態が続く北朝鮮情勢。どんどん事態は深刻な方向に向かっているようで、日本に大きな被害が出ない事を願うばかりですね。

さて、北朝鮮と言えば、実は一度だけ近くまで行った事があるんです。それは韓国から「軍事境界線、板門店見学ツアー」に参加した事があるから。あれは何年前だっただろうか?まだ当時はデジカメではなく、フィルムの写真でした。1998年頃かな…。

軍事境界線、板門店見学ツアー

この写真を撮っている場所は、韓国と北朝鮮をまたぐ38度線上にある軍事境界線の板門店。確か昔、映画「JSA」で話題になりましたね。遠くに霞んで見える都市は北朝鮮です。

当時の説明では「あの大都市には誰一人住んでいない」と言われたのが印象的でした。つまり見せかけの大都市。スゴイ大都市に見えるけど、遠くから観察すると、人が動く気配が全くないそうです。まさにゴーストタウン。

軍事境界線、板門店見学ツアー

写真がメチャ写り悪いのは、これは全部、20年ほど前にフィルムで撮った写真をパシャって撮ったものなので…。

この「軍事境界線、板門店見学ツアー」は、南北の緊張状態が続く現場に訪問すると言ったリアルなもので、参加する前に「殺されても文句を言いません」みたいな証明書にサインをしなくてはいけませんでした。

そして、ハッキリ覚えていませんが、確か一列か二列になって歩き、ポケットに手を入れたり、大声を出したり、人を指さしたり、列を乱したり、急に走ったりすると、その場で撃ち殺される可能性が高いので気を付けなさいと説明があった記憶があります。

軍事境界線、板門店見学ツアー

とは言いながらも、そんな事ないでしょ。って思ったけど、現場に行くとピーンって張りつめた空気。銃を持って立っている兵士がいて、これは想像以上にマジだなと…。

ここは非武装地帯と言われる場所で、国連軍及び韓国政府は訪問者の安全と責任を負う事は出来ない場所。20年前でも、いつ何が起きるか分からない場所、「今、この瞬間に戦争が勃発するかもしれません」とも言われ、ツアー中は常に緊張感があって、帰りのバスで韓国側に入ってからホッとしたのも思い出します。

軍事境界線、板門店見学ツアー

この板門店では、見張りの兵士は誰も微動だにしません。場所にもよるけど写真は撮っても大丈夫でした。しかし本当に撮って大丈夫なの?カメラを向けた瞬間にバーンって撃たれたり、捕まえられたりしない?って不安を感じるほどドキドキしました。

軍事境界線、板門店見学ツアー

韓国と北朝鮮の間には草原が広がり、この草原には地雷が沢山埋められているそうです。戦車で攻め込まれたりする事も想定しているとのこと。

草原の向こうにはゴーストタウンが異様な存在感を感じます。双眼鏡を貸してくれたので、街や塔を見ると、塔の上には北朝鮮の巨大な国旗が風でパタパタと揺れていました。街は確かに生活感はなく、まるで蜃気楼のよう。ここは今もゴーストタウン何だろうか?

軍事境界線、板門店見学ツアー

日本では想像つかないが、ここは戦争がいつ起きるか分からない緊張感のある最前線。今は核ミサイルだの長距離弾道ミサイルだの、当時と状況は変わったかもしれないけど、事態はますます深刻になっています。本当にいつ戦争が起きても不思議ではない。

この板門店ツアーは、今の北朝鮮との関係では、きっと開催されていませんよね。当時もツアーに申し込んでも、当日までツアーが開催されるか未定だった記憶があります。朝になって情勢を見てツアー開催みたいな感じでした。今もし仮に行けたとしても、なんかチョッと怖いね。とにかく早く平穏になって欲しいものです。