竈山神社(和歌山市)
和歌山市内には、日本神話に関するスポットが所々出てきます。今回は「古事記」を読めば必ず登場するスポットを紹介してみます。
ここは竈山神社と言い、和歌山市内から車で10分ほど。車で走っていると小高い山のような丘の様な場所が見えてたら目印です。山や丘と言うよりも古墳が正しいかな…。南側に来ると広い駐車場があって、そこに大きな鳥居が見えます。
この大きな鳥居の横には筋肉ムキムキ?威厳ある狛犬の姿。
凛々しくて格好いい。
鳥居を過ぎて、参道を歩くと、すぐ右手には…
美しい苔の風景が広がっています。
この苔が素晴らしい景観。苔の上は歩いてはいけないと書かれていないけど、さすがに、この美しい苔の上を歩くのは非人道的。とにかくキレイ。
苔のない端(獣道のような部分がある)を歩いて奥に進むと、その先には橋が架かっているのですが、ここが特に美しい。
こんな感じです。ね♪素敵でしょ。この橋の上は歩けないよね…。
さて、この竈山神社に関してですが、この「竈山」とは『古事記』『日本書紀』に見える歴史ある地名。
ところで神武天皇って知っていますか?
聞いた事あるけど、あまり詳しくないって方が多いと思いのではないでしょうか。神武天皇とは簡単に言えば初代天皇。諸説様々で、架空の人物と言う説もあるようです。
通説によると、九州から広島、岡山を経由し東征に向かった神武天皇(磐余彦尊/いわれびこのみこと)は、機内に入ると地元を治める長髄彦(ながすねびこ)と激しい戦いになります。いわば侵略ですからね。長髄彦からすると当然のこと。
この神武天皇と一緒に東征していた兄の彦五瀬命(ひこいつせのみこと)が、この長髄彦との激しい戦いでの流矢にて負傷、その傷は深く、男之水門(おのみなと)で息を引き取ったと言う。そして、この竈山に葬られたという。
この彦五瀬命の神霊を祀る神社が竈山神社なのです。
古事記を読むと、この彦五瀬命が残した言葉が印象的。それは…
あぁ、私は日の神(アマテラス)の御子なのに、太陽の方向に向かって戦ってしまった。だから賤しい者の放った矢を受けた。向きを変え、太陽を背にした陣形にして戦おう。
そして現在の和歌山に回り込んだ所で息絶えたと言う。このような逸話を知って歴史を巡るのって楽しい。私は王様文庫『眠れないほど面白い 古事記』を読みました。実際には眠れないほどって事は無いけど、読みやすかったですよ。興味のある方は是非!!
さて、その彦五瀬命が眠る場所ですが… 本殿の東側から一度外に出て5分ほど歩くと案内が見えてきます。
ココですね。
宮内庁の管轄で「竈山御陵」「竈山墓」と書かれてます。
これ以上奥には行けませんが、ここが神武天皇の兄、彦五瀬命が眠る場所。
日本の歴史を巡る旅をするなら、ここも是非立ち寄っておきたい場所。竈山神社の苔も美しかった。苔マニアにもおすすめです。
ちなみに、この御陵の周囲には小川のように見える堀があり、じーっと見てるとカニが何匹か出てきました。人の気配を察するとスグに隠れてしまうけど、ジッとしてると動き出す。猫もいましたよ。ちょっと散策するとホッとする。そんな場所でした。
竈山神社(かまやま じんじゃ)
場所:和歌山市和田438番地
電話:073-471-1457
参考ホームページ