山中神社・馬目王子社(阪南市)
JR阪和線で大阪最南端にある山中渓駅から北に向かって歩いて行くと、途中で「山中渓の道祖神」や「旧山中宿本陣」「旅籠とうふや跡」などの案内板が歴史を物語り、石畳の道は風情を感じさせてくれます。いい散策道ですね。
山中渓の駅から7~8分ほど歩いた所にも案内版があり、そこには山中神社と書かれた碑もあります。どうやら、この路地を曲がって奥にあるらしい。
ちょっと行ってみましょう。
住宅街の中を歩いていると、そろそろ夕食の準備にかかる時間なのか、家庭料理の良い香りがプンプンと…。少し懐かしい風情の残る場所。いいところです。
途中で「八王子社観音堂(奥の院)」と書かれた碑があり、ここは一般の方の家の軒先だと思います。
そして、ちょっと個性的な丸くデザインされた橋を渡ると…
そこは山中神社です。山中と言うので、山道を歩いて行かないと行けないのかと思ったけど、全然そんな事はありません。
鳥居の横には、狛犬がお出迎え。
うん、良い風情です。
そして正面には「馬目王子社」があります。この馬目王子はウハ目王子、宇麻目王子との別称があるようです。またこの地域の「東鳥取村誌」によると、山中の足神さんとして知られ、いつも大きな草鞋(わらじ)が社前に供えられていたそうな。
熊野詣でが盛んだった平安後期、その道筋には熊野権現の分身が祀られていたそうです。これを「王子」と言い、大阪から熊野まで99あり、「九十九王子」と呼ばれ、阪南市には「地蔵堂王子」と、この「馬目王子」の2つがあります。
全体を見ると、こんな感じ。
こちらが案内版。
この山中神社には、馬目王子社と八王子神の2つの社があり、こちらは八王子神ですね。案内によると、1079年(承暦3年)、澤四郎善眞が紀州の岡崎(現在の和歌山市内)より信仰する八王子神(あまのひほの命)をもって山中村に移り住み、この地にお祀りし、現在は上之宮より移祀したものだそうです。
そして、この八王子神には十一面観音が祀られていて、1613年に盗難に遭ったそうですが、いつの間にか戻っていたそうな。悪い事は出来ません。
少し石段を登り、後ろを振り返ると、何だかいい感じ。とっても静か。神様を祀っている社にお尻を向けるのは失礼だけど、ここで立ちすくんで少しボーっとしたくなる。山の中と言うワケではなく、住宅街に隣接する場所だけど、鳥の鳴き声、虫の音、いいものだ。
山中神社(馬目王子社)
山中渓の駅から徒歩7分ほどの場所です。