栗柄神社(岡山、勝央町)
岡山県と言えば桃太郎の伝説で有名ですが、実は金太郎伝説もあるって知っていましたか?この日本昔話に登場する金太郎さんのモデル坂田金時は平安時代の武将です。
その坂田金時が眠る社が栗柄神社です。この岡山県勝央町が最期の地だったんですね。
日本昔話で見る金太郎さんは、静岡県小山町の足柄山で誕生し、熊と相撲したり、マサカリ担いで熊にまたがって歩くイメージが強いですね。あれは金太郎の幼少期の姿。
その後、金太郎さんは源頼光と出会い、家来となり坂田金時と名を改め、四天王の一人として活躍し、酒呑童子を退治した逸話などが残っています。そして筑紫の国(現在の福岡県)へ賊を征伐に行く途中、この地で病によって亡くなったそうな…。
その金太郎さんの眠る社が岡山県の勝央町にあります。
場所は中国自動車道のすぐ横。
とっても小さな社がポツンとあり、これが栗柄神社です。
この栗柄神社を管理している方に話を聞くと、昔は木刀を供えていたそうですよ。この木刀を供え拝むと病が治ると伝わっていたと言う。しかし、その木刀はスグに盗まれてしまうので今は供えていないとのこと。一部の心無い人の為に残念な事です。
この神社には金太郎さんの像や絵などは無く、とってもシンプル。唯一金太郎さんを感じることが出来るのは、金太郎の絵馬くらいでしょうか。
ちなみに、坂田金時がこの世を去ったのは1010年12月57歳と「栗柄神社の由来」の案内には書かれているけど、実際は11月15日。
ウィキペディアで「金太郎」と検索して見ても12月15日と書かれているが、それも間違い。実際に金太郎さんが亡くなったのは11月15日だとか。ここを管理している方が持つ資料に、そう記録が残っているそうですよ。
この坂田金時の武勇を称え、倶利伽羅権現と称し祀ったのが、この栗柄神社です。要するに「倶利伽羅(くりから)→栗柄となったのでは?」と伝わっています。
ところで倶利伽羅の意味は知っていますか?
身近な例で言えばヤクザ映画で見かけるヤクザの入れ墨の竜です。あれは「倶利伽羅紋紋(くりからもんもん)」と呼ばれますよね。
天に向かう剣に竜王が巻きつき、剣を呑みこもうとしている姿を倶利伽羅竜王、または不動明王の化身とも言われています。あのヤクザの入れ墨には、そんな意味があるんですよ。
倶利伽羅とは勇猛と言う意味。勇気があって勇ましいことの象徴でもあります。
この栗柄神社の社は小さいですが、近くでよく見ると彫り物が実に巧妙で評価が高いと言う。
正面には龍が彫られ
そして木鼻が見えますね。
木鼻とは、柱の外側に突出した部分に象や獏、獅子などの彫刻のこと。
ここでは見た感じ獏(ばく)のように見えますが、教えてもらった話によると…、ここでは昔から狛犬が4体付いていると古くから言われているそうです。
「ほら、片方は口を開け、反対側は口を閉じて阿吽(あうん)になってるじゃろ」と地元の方。なるほど…確かに。
そして側面には鳳凰の彫り物があり、
こちらには虎の彫り物がある。そして、左の方を見ると3つの団子のようなものがあるでしょ。分かりますか?
教えてもらって、目を凝らして見て、何とか分かったような…、未だ分からないような感じですが、この小さな3つは「見ざる聞かざる言わざる」の三猿だそう。
これが金太郎、坂田金時が眠る社の栗柄神社です。
今はまだ観光的なPRは殆どされていませんが、岡山県には桃太郎だけでなく金太郎もいる。私的には何故、金太郎を地域活性としてPRしないのか不思議でならない。勿体ない。誰もが知っている日本昔話のヒーロー金太郎が眠る場所ですよ。
もちろん金太郎伝説は諸説様々だろうけど、岡山県でPRしないのは実に勿体ない。…そう思いませんか?
栗柄神社
場所:岡山県勝田郡勝央町平 栗柄神社
電話:なし